第一章

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なんとか、学校に行って、そしてわたしは中学生になった。 ……………状況は、最悪だ。 小学校から一緒だったひともいる。 とはいえ、話したことがないから、ああいたなぁ…としか思えない。 大学デビューじゃなくて、中学デビューが出来なかった。 小学校からの友だちどおし、グループができていたり。 そうでなくても、地元だからと、仲良くしていたり。 入る隙がない。 ………さみしい。 がんばって、話しかけてみた。 でも、やっぱり無視されてしまう。 あぁ………くるしい。 教室で、本を読む。 「何読んでるの?」 「あ………、しょ、小説を……」 嬉しかった。 でも、どもってしまった。 緊張してしまう。 「しょ、小説って…!」 笑われてしまった。 それでも、良かった。 話しかけてもらえた嬉しさが勝った。 「そっかあ」 話しかけてくれた女の子は、それ以上何も言わずに教室をでていく。 うん、大丈夫。 これから、だよね。 だけど……そこからが、本当の地獄だった。 私の髪の毛は、天然パーマ。 真っ直ぐな髪質の子が羨ましいけど、もって生まれたものだ。 言っても仕方ない。 でも、それが周りは許せなかったみたい。 「校則違反じゃん」 「なんであなただけ」 生まれつきだと言っても、きいてもらえない。 先生に相談してみよう。 「えー、それはあなたが悪いでしょう?校則違反なのは本当じゃないの」 分かっては、もらえない。 あぁ、孤独だ。 わたしは、ひとり。 あの時、話しかけてくれた女の子も、二度と話しかけてはくれなかった。 どころか、彼女もほかのひとと嗤っている。 わたしのことを。 嗤われたり、天然パーマを貶すことばならまだよかった。 彼女たちにとっては、校則違反にうつってしまったのだろう。 そう、無理やりに納得した。 だけれど、現実はあまくない。 初めは、嗤われたり、髪質のことだけだったり。 本当に、それだけだったのに。 一学期の中間テスト。 先生の採点ミスを見つけた。 「先生、ここ……間違えています」 言いに行くと、先生は渋々わたしの答案用紙を見た。 「…………ハァ」 聞こえた溜息。 「本当ですね」 きちんと言えた、良かった。 そう思ったのに。 「ズルしてるんじゃないの?」 「え?」 ズルなんて、していないのに。 何で、そんなことを言われなきゃいけないの。 「ズルなんか、しませんよ」 はっきり言った。 今までの鬱憤も、あったから。 「チッ」 舌打ちされたけど、その日はそれで終わった。 翌日から、わたしは。 生きているのがつらい目に遭うなんて、この時は思っていなかった。
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