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(浮かれてるって何? 別にそんなつもりないんだけど?)
そう言い返したい思いをグッとこらえ、私は去って行く周に視線を向けた。
「あ、周ー、置いてかないでよぉ」
すたすたと先を歩いて行く周を追いかけた今井さんは追いつくとすぐに彼の腕に自身の腕を絡めて身を寄せた。
それを振り払う事もしない周。
(何よ、自分は何なのよ? 馬鹿みたい!)
私の事なんて何とも思ってないくせに、何であんな意地悪な事を言うのか理解出来ない私は苛立ちを覚えつつも、唯や三波くんの元へ向かって行った。
学校を出て駅前のパンケーキが美味しいカフェでお茶をした私たち。
唯は終始質問攻めだったけれど、嫌な顔一つせずに聞かれた事に答える三波くんに感心しつつ、私は時折話し掛けられては相槌を打っていた。
陽も暮れて来た事でお開きとなった後は別路線のバスに乗る唯を見送ってから三波くんと同じバスに乗り込んだ。
「蔵田さんって面白い子だね」
「そうかな? まあ、明るい子だよ。常にあんな感じのテンションだし」
「そっか〜」
一番後ろの席に座れた私たちは唯についての会話を交わしていたのだけど、その途中で突然、
「そう言えばさ、山野井さんと矢地くんって仲良いの?」
何故か周の話題に切り替わり、私は思わず目を見開いた。
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