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「……受けるのかよ、今の」
「え?」
「告白だよ、受けんのかって聞いてんの」
さっきの告白や周が突然現れた事も驚いたけど、私は今の周の問い掛けが一番驚いた。
だって、今の質問は、明らかに私の事を気にしている証拠だから。
「そんな事、分からないよ……突然だったし」
「へぇ? その割には満更でも無さそうだったじゃん」
「別に、そんな事ない」
「どーだか。一緒に登下校だって嬉しそうだったじゃねぇか」
「何でそんな事言うの? 私はそんなつもり無いよ?」
「いいじゃん、アイツ女から人気だし、優しいし? 女はああいうの好きだろ。良かったな、優しくて格好良い彼氏出来て」
「私はまだ、受けるなんて決めてないし、それに……格好良いからとか、そういう事で決めたりはしないし、三波くんが私を好きだなんて、思いもしなかったもん……」
周はどうしてこんなにも突っかかってくるのだろう。
大体、私が告白を受けようが受けまいが周には関係無いはずなのに。
「はあ。お前、どこまで鈍感な訳? アイツ明らかにお前に気があっただろうが。方角ちげぇのにわざわざ家まで送るとか、クラスの奴等の前で誘うとか、下心見え見えだっつーの」
「そんな風に言うのは良くないよ、三波くんはそんなつもり無かったと思う。ただ私を心配してくれて送ってくれただけだし。もういい。周には関係無いじゃない。放っておいて」
だんだん周の言葉にイライラが募ってきた私は無理矢理話を中断して鍵を開け、家に入ろうとした、その時――
「断れよ、受けるんじゃねーよ、アイツの告白なんて」
玄関のドアノブに手を掛けた私に、後ろから周のそんな声が聞こえてきた。
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