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何で? どうして周はそんな事言うの?
周は、私の事なんて何とも思ってないでしょ?
今じゃもう、幼馴染み以下でしょ?
周は、私の事が、嫌いでしょ?
なのに、どうしていちいち口出ししてくるの?
「何で」
「あ?」
「何で、そんな事言うの?」
「……面白くねぇからだよ」
「何それ? それじゃあ自分はどうなの? いつも今井さんや他の女の子と一緒に居るじゃん」
「あんなの、アイツらが勝手に来てるだけ。俺から誘ってる訳じゃねぇよ」
「何それ、誘われたら何でもいいの? 家まで付いてきたら部屋に入れるの? 好きでも無いのに、誘われたらエッチするの? 馬鹿みたい!」
「うるせぇな、俺が何しようが勝手だろ?」
「その言葉、そっくりそのまま返すよ。私が何しようが、誰と付き合おうが私の勝手でしょ? もう放っておいてよ!」
何なの? どこまで自分勝手なの?
最低! 自分勝手な奴だと思ってたけど、ここまでなんて。
もういい、周なんて知らない。
幼馴染みなんて、もうだいぶ前から終わってたんだから、もう、関係無い。
そのままドアを開けて中へ入ろうとすると、後ろから周が近付いて来る気配がしたと思ったら、そのまま一緒に中へ入って来て、玄関の鍵を閉めた。
「なっ、何するのよ? 勝手に入って来ないで! 早く出てってよ!」
「来いよ」
「ちょ、ちょっと! 周!? 離して!」
両親がこの時間留守なのを知っているせいか、まるで自分の家みたいに偉そうな態度の周は靴を脱ぐと、私の腕を掴んで階段を上がっていく。
「何勝手な事してるの? 早く帰ってよ!」
そして、私の言葉を無視し続けた周は勝手に私の部屋のドアを開け、掴んでいた腕を離してきた。突然掴まれていた手が離された私はバランスを崩して自分の部屋の床に倒れ込む。
「痛いじゃん、何するの? いい加減にしてよ」
何かもう色々有り得ない事続きなのと、周の自分勝手さに怒りを露わにすると、
「――アイツの告白、断るって約束しろよ。それまで、離してやらねぇ」
今度は私の動きを封じるように上に跨り、再び三波くんからの告白を断るよう強要してきた。
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