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それがまずかったのはすぐに分かった。
けど、してしまった事実は消せなくて。
せっかく助けてくれたのに、そんな態度を取られればイラつきもするだろう。
案の定、周はいつもの様に不機嫌そうな顔をして去って行ってしまった。
周が階段を降りて行ったという事は、このまま私も帰ると同じバスになってしまう。
同じバスになれば当然降りる場所も同じな訳で、それは流石に気まず過ぎると思った私は図書室で時間を潰す事にした。
三十分程時間を潰した私は一人バス停まで歩いて行き、後十分くらいでバスが到着するのを確認する。
暇潰しにスマホを取り出してSNSをチェックしていると、見覚えのある人物がバス停へやって来た。
(あれ、三波くんだ)
教室ではあんなに囲まれていたのに今は周りに女子の姿はなく、イヤホンを付けて音楽を聴いている様子だった。
そんな彼は私から少しだけ離れた位置に立ち止まると、イヤホンを外しながら、
「……あれ? 確か同じクラス……だよね?」
私が同じクラスの人だと気付いたらしい三波くんが控えめに話し掛けてきた。
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