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 彼女と付き合って一年半ほどになる。最初はかなりの頻度でデートしていたし、彼女がぼくの部屋に遊びに来て、夜の間に行われた激しい営みなど無かったように、翌朝すました顔をして帰っていく事も何度もあった。彼女は決して、そういった事に消極的では無かった。むしろ積極的だった。  歳の差が少しある事と(世間的に、という面だけだ)ルックスが多少ぼくの好みと違って今時過ぎる事を除いては、彼女は理想的な恋愛相手だった。比較的従順で、甘え上手で、媚びを心得ていて、惚れっぽい女の子だった。  そう、惚れっぽいのだ。  一か月ほど前、急に連絡が取れなくなった。彼女は勤めていた人材派遣会社を辞めて、少しお堅い職種に転職した。ぼくと付き合っている間に彼女は二回職を変えていたけれど、間を空けずすぐに次が決まった。彼女は人を魅了する独自のルーティンのようなものを身に着けていて、それを常に如何なく発揮するのだった。
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