妖退治

6/20
前へ
/52ページ
次へ
「今から? 着替えたいんだけどな」 「俺がいるからすぐ終わるだろ。さっさと行こうぜ。裏山って言ってたけど場所わかるか?」 「知ってる。いつも気になってた」 公園について間もないが、早速2人は裏山に向かうことにした。 裏山は事故があったとかで開発が進まず、そのまま放置されている場所だ。 今は作業車や木材が置かれており、物置のようになっていた。 学校から徒歩圏内にあるとはいえ、滅多に人通りがある場所ではない。 いつも鬱蒼としていて、明るい時間帯でも暗い雰囲気を漂わせている。 灯も「いつか何かありそうだな」と前々から思っていたが、実際に自分のところに仕事が回って来るとは。 「それで、俺は裏山で何をすればいいんだろう」 現場に向かいがてら、仕事の詳しい話を聞く。 「鳥を退治しろ、って言われたぜ」 「それだけ?」 拍子抜けしてしまった。 いつもなら、もう少し細かい状況を教えてもらえる。誘宵が忘れてるだけで、もっと何か情報があるのではないか。 「それだけだよ。行けばわかるだろ。鳥の妖でもいるんじゃねーの」 本当にそれしか聞いてないらしい。 情報不足は否めないが、仕事は仕事だ。行けば何かしらわかるだろう。
/52ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加