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「今から? 着替えたいんだけどな」
「俺がいるからすぐ終わるだろ。さっさと行こうぜ。裏山って言ってたけど場所わかるか?」
「知ってる。いつも気になってた」
公園について間もないが、早速2人は裏山に向かうことにした。
裏山は事故があったとかで開発が進まず、そのまま放置されている場所だ。
今は作業車や木材が置かれており、物置のようになっていた。
学校から徒歩圏内にあるとはいえ、滅多に人通りがある場所ではない。
いつも鬱蒼としていて、明るい時間帯でも暗い雰囲気を漂わせている。
灯も「いつか何かありそうだな」と前々から思っていたが、実際に自分のところに仕事が回って来るとは。
「それで、俺は裏山で何をすればいいんだろう」
現場に向かいがてら、仕事の詳しい話を聞く。
「鳥を退治しろ、って言われたぜ」
「それだけ?」
拍子抜けしてしまった。
いつもなら、もう少し細かい状況を教えてもらえる。誘宵が忘れてるだけで、もっと何か情報があるのではないか。
「それだけだよ。行けばわかるだろ。鳥の妖でもいるんじゃねーの」
本当にそれしか聞いてないらしい。
情報不足は否めないが、仕事は仕事だ。行けば何かしらわかるだろう。
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