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03. 自創作の裏話(1)
今回のテーマは、連載中の創作BL『玻璃の庭』の裏話です。
この作品は、私が20年近く前に書いていた小説の設定を、そのまま流用しています。
主人公は皇派軍の精鋭部隊の隊長で、男装の女性でした。
この主人公の部下に、当時25歳だった二階堂がいます。皇派軍を辞めたあと、彼は30歳で揮皇館の教官になり、32歳で学長になっています。
作品の舞台である神無国は、明治初期の日本によく似た島国です。
作中の地名・固有名詞・できごとには、元となるものがあります。
・鋼明政府 → 明治政府
・八十郡 → 東京府
・宿陽→ 現在の23区あたり
・八千川 → 隅田川
・洛春 → 新吉原
・伊部戦争 → 西南戦争
・西国 → 西欧
……
皇派軍は、当時の軍隊と警察の中間のような組織です。
揮皇館については「こんなのんびりした軍学校があるわけないだろ」と思いつつも、士官学校と警察学校の中間のようなイメージで書いています。
明治あたりの風俗を、正確に書くのは大変です。
いっそ江戸時代なら時代劇などでおなじみですが、西洋文化が混ざってくると「あれはいつからあったんだ?」とか「この時代にもうこんなことしてないだろ」とか、大混乱です。
たとえば、軍服などの下に着る詰襟の白いシャツ。正式名称は「襦袢」です。
が、襦袢というと色街の姐さんが着る、あの赤いぞろっとしたやつを連想します。ほかにも、靴下は「軍足」。何だそれ、という感じです。
こういうとき、正確さだけを追求すると、軍服の下に緋の長襦袢を着るおかしな人が(読み手の中で)爆誕します。
よって「もういい、シャツと靴下だ!」となります。
明治ではなく「なんちゃって明治」なので、そのあたりはわりと適当です。
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以上、読んでいただきありがとうございました。
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