ヒレンジャー部隊のお仕事

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ヒレンジャー部隊のお仕事

「てかヒレンジャー部隊って何?」 再び、マミが疑問を口にした。  それまで黙って、ことの成り行きを見守っていた(てい)の紗倉樹だが、ここで遂に口を開いた。 「ヒレンジャーとは即ち、緋連雀(ヒレンジャク)という名の、渡り鳥界のエースでもあり、特に 種子運搬及び、着床の技術に優れた精鋭達のことさ。 キレンジャーなる、黄連雀(キレンジャク)部隊もいるよ。 彼、彼女等のタフな働きによって、樹木界の発展も 望めるというものさ、、ち、」 (いつき)が、息継ぎのポイントを誤った。 すかさず、(みやび)が、語りを奪った。 「地球は人間達だけのものに在らず、さ。 この世界に張り巡らされている緻密な絡繰(からくり)と、その均衡を保つ為に水面下で行われている、 地味で凡庸だが、外せない仕事。 それを知ろうとする者も少ないが、誰彼と安易に、 その実態を知られてもいけないのさ」 「櫻子嬢、マミ嬢、この館で見たこと聞いたことは 一切、口外してはなりませぬぞ」と、執事犬パールも お仕事モードに徹して、更にムードを高めた。 「了解!」 「なんかしらんけど、てぇてぇ(尊い)」と、 櫻子とマミ。 気がつけば、場は、新手(あらて)のサークルの様相を 呈していた。
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