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ここに、ヤドリギとヒレンジャー部隊との関係に
ついて、詳細に記した記録がある。
「ヤドリギには小さな実が成り、冬にその実は熟す。
白、赤、黄色の、その実の中には種子があり、また、
その種子は粘り気のある果肉に包まれており、
ヒレンジャー部隊は、その実を好んで食すが、
なんと種子は消化されずに、糞となり、お尻から
出てくる仕組みだ。
その折、種子を包んでいたネバネバした果肉が、
なんと糸のようにびろーんと伸びて垂れ下がり、
風に吹かれたりして、他の枝にくっつくという。
運良く、ホスト役の樹木にくっついた種子は、
やがて発芽するのだが、実はヤドリギは根でなく、
吸盤に似たある器官をもって、ホストに寄生するのだ‥‥。」
「て、なんかヤドリギってヤバくない?」とマミは、
資料を読むなり、雅を横目で見た。
「ホストの身になれば、大迷惑やん?」
「ヤドリギだって成長すれば自ら光合成するんだぜ?
親掛かりの子供が、高校生になってバイトで
小遣い稼ぐのと、何ら変わりなくなーい?」
「ほぉ!屁理屈が上手いやん、雅」
「なんだよ、年上に向かって呼び捨てかよ」
「まあまあ」と、間に挟まれて座っていた櫻子は、
両サイドの2人を宥めた。
マミと雅は、ふんっと同時に紅茶を飲み、キュウリの
サンドウィッチを齧った。
「美味いっ」
「まあまあイケるやん」
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