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昼食が終わり
「そんなことがあった後、その女の子はサラリーマンの男性からギターを教えて貰うことになり、それなりにギターも上手くなるとソコソコ有名な路上ライブパフォーマーとなったのでした!おーしまい」
妻の長かった話が終わった。すると間髪入れずに、
「その女の子がさーちゃんってことなの?」
姪は直ぐにその事実に気付いたようである。
「当ったり~」
妻がそれに応えると、
「じゃあ、そのサラリーマンは今はどうしてるの?」
甥が聞いて来る。
「多分、エビフライカレーとサラダを食べてるんじゃないかなぁ~。多分だけど」
そう言い、俺を横目で見る。
「えっ、それってよっくんってこと?」
驚いて俺を見る普段俺のことを見下げている甥。
「あったり~!」
妻が手を叩いて喜ぶ。
「そっか、だからよっくんもギター上手いんだ」
おっ、何か俺を見る目が普段と違う…
めっちゃ嬉しいが、でもここは謙虚が美徳。
「まあ、たいしたことはいよ」
謙遜してみる。
ちょっと今の俺決まってるかも…
と思ったが、俺のフィーバータイムは呆気なく終わり、直ぐに話が先に進んでしまう。
「他の人たちはどうなったの?」
「他の人たちもそれが縁で連絡先を交換して、今でも友達よ」
そこに付けっ放しだったテレビから、タイミングよくあるCMソングが流れ出す。その曲は男性二人組が歌っている今流りの曲である。
「この曲知ってる?」
妻が二人にそう聞く。
「知ってるよ。この間音楽番組に出て、特技のボイスパーカッションをやってたよ」
甥が応える。
「上手かったでしょ」
「プロ並みに上手かったよ」
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