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「またインターホンに出たの?」
「ビックリしたぁ……。だって統理さん、トイレに入っていたから」
「待たせればいいんだよっていつもいっているだろう」
「でも……」
「口答えする悪い子には何が待っている?」
「~~~っ」
手に持っていた荷物をシューズラックの上に置いて私の腕を統理さんが引っ張った。
「お仕置きの時間だね」
「!」
統理さんと結婚して知ったこと。それは統理さんは異常なほどのやきもち妬きで束縛癖のあるS夫だったということ。極力他人──特に男性に会わせないようにしていて、例えそれが宅配業者さんでも対応するなという徹底ぶりだった。
「本当に梨々香は危機感がないんだから」
「危機感って……何の?」
「いつもいっていること。君は可愛過ぎるんだから俺以外の悪い虫が寄り付かないように防衛する必要があるって」
「そんな大袈裟な」
「大袈裟じゃないよ。──というか最近よく口答えをするようになったね。そんなに俺のお仕置きが楽しみなの?」
「た、楽しみじゃないですよ!」
お仕置きと称して与えられるのは恥ずかしくて説明するのも憚られるようなことで、夫婦の寝室とは別の、地下にある統理さんの作業部屋に置いてあるベッドで行われる羞恥プレイだった。
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