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「先刻とは逆だ」
「え」
「今は梨々香が怒っている」
「……」
そういえばそうだなと気が付いた。──というか
「なんで私たち先生に振り回されているんですかね」
「全く……梨々香の過去の恋愛とその相手も大して害がない小物だと解ったのにな」
「です。いわば私の黒歴史です」
「……」
統理さんが変に思わなくてよかったと思っていると不意に統理さんが口の端を上げてとっても悪い笑みを浮かべていた。
「統理さん」
「うん？」
「……今」
「今、何？」
「………いえ、なんでもないです」
何故か口元は笑っているのに目が笑っていない気がした。それにほんの少し畏怖感を覚えた私はそのことを結局統理さんに訊くことは出来なかった。
──だけど数日後、この時の統理さんが何を考えていたのかその理由が解る時が来るのだった
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