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「さぁ梨々香、愛し合おうか!」
「あ……あの……」
少し遅めの夕食後、いつものように統理さんは私をベッドに誘った。そんな統理さんの誘いに私は困惑してしまう。
何故困惑しているかというと、仕事絡みで部屋に籠っている時の統理さんは食事と入浴以外のほぼ全ての時間を仕事のことで没頭していた。それ故に私とのそういう行為も自粛していたからだ。
もちろん食事などで仕事部屋から出た時に軽いスキンシップなんかはあったけれど、本格的な夫婦の営みというものはなかった。
それも統理さん曰く「一度梨々香を抱き始めたら仕事したくなくなる。そして離したくなくなる」ということだったので仕事中の何日間は禁欲生活に突入しているのが普通だった。それなのに……
「どうしたの? ほら、おいで」
「……」
統理さんが色っぽい表情を浮かべて私に手招きしている。
(今、仕事中なのに……どうして?)
絶賛仕事期間中である今、いつもなら食事を済ませるとすぐに部屋に閉じ籠る統理さん。そこまではいつも通りなのだけれど夜はいつもとは違っていた。
「ほら」
「あっ」
優しく手を取られベッドの上に押し倒された私は真上にある統理さんの顔を見つめた。
「ん? どうしたの」
「……」
いつもと違うのは夜になると統理さんは私が意識を飛ばすまで激しく抱くことだった。
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