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仕事中にもかかわらずそういった行為があるというのは正直にいうと………嬉しい。統理さんに甘やかしてもらえる時間があるのは私にとって幸せなことのひとつだから。
「何かいいたそうだね」
統理さんはいつものように私の何かいいたげな視線を見て優しく微笑んだ。
「いいたいことは……ありますけれど……」
統理さんの言葉を受けて今日こそはと思い「私が何かを訊いても統理さんは答えてくれますか?」と続ければ「ごめん。答えられない」とこれまたいつもの返事が返って来る。
(やっぱり……)
今の統理さんは確実に何か隠し事をしている。今日という今日でそれを確信した。
「私がどうしても訊きたいんですといってもですか?」
「うん。無理」
「……」
統理さんは私の質問を軽くかわしながらもその手は忙しなく私の肌を弄り徐々に気持ちを高揚させていった。
(やっぱり今日もダメだったか)
私が統理さんにいつもとは仕事の仕方が違うのか? みたいな質問を繰り返しても何故か飄々とかわして真実を教えてくれることはなかった。
少し前はそんな態度に憤ることもあったけれど、それでもやっぱり統理さんに触れられると瞬く間に甘い媚薬に酔ってしまうような感覚に陥りそのままいいようにされてしまうのだった。
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