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第ニ章 ソードのエース
「誠。早く起きなさい。養成所の人と会う約束をしているでしょ。もうお昼になるわよ。」
母親代わりの占い師の師匠に起こされているのは、御子と同い年の占い師の『誠』である。長髪で少し色黒で天涯孤独の甘えん坊だ。
「起きてるよ。今占い中!!」
誠は今日、占い師の養成施設で御子と会う約束をしていた。御子とは占い師を目指してから知り合ったが、それと言って御子の事はただの知人としか思っていない。
(おかしい・・・何故カードが大アルカナばかりなんだ。さからえない何かが動き出しているのか・・・?)
「師匠、俺になんかあったらケルト十字でカードを展開してくれ。元ある世界に戻れるようにしておく。占い師の養成施設で、これから何かが起きるらしい。」
そう告げると誠は即座にカードをジャケットの内ポケットに忍ばせ玄関のドアノブに手をかけた。
一方、御子と章は占い始めていた。
章は内心御子と結ばれるように願いながらカードをシャッフルしていた。そうすると思い通りの答えになるからだ。
しかし思いも寄らないカードの展開になった。
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