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大聖堂で始まったアンドレアとリリアンの結婚式。
二人の幸せそうな姿を見つめながら、クリスティーナは感慨深くこれまでのことを思い出していた。
今から7年前。
ここコルティア国の王宮の近衛連隊長だった父を助けたくて、男装して近衛隊に入隊したクリスティーナ=アンジェは、同じ日に入隊したフィルと出逢う。
共に戦い、勝利を収めて帰ってくると、今度は王太子を護衛する為に花嫁候補と偽って王宮入りした。
昼と夜とでは別人のようになる、掴みどころのないミステリアスな王太子。
不思議に思いながらも、クリスティーナは王宮に侵入してきた敵と戦い、王太子を守る。
離宮への移動の途中で近衛隊のフィルと共に敵の捕虜となるが、再び力を合わせて無事に制圧した。
そして驚きの事実を知る。
フィルこそが真の王太子、フィリックス=アーサーだったのだ。
これまで王太子のフリをしていた人物は、フィルの母の兄の息子、つまりフィルの従兄弟にあたるアンドレア。
争いを終わらせようと密かに他国に働きかける為、フィルは王太子の身代わりをアンドレアに頼んで奔走していたというのだ。
ようやく謎が解けたクリスティーナだったが、偽りの花嫁候補として王太子を護衛する役目も終わり、屋敷に帰るべきかと迷っていた。
そんな時、妹のリリアンが野党に誘拐されたと知り、急いで駆けつける。
ピンチのクリスティーナを救ったのは、またしてもフィル。
どんな時も自分を助けて守ってくれるフィルに、クリスティーナもようやく本当の自分の気持ちに気づく。
「クリスティーナ。剣が上手くてかっこよくて、俺が命を預けられる最高の相棒。可愛くて綺麗で、俺の心を掴んで離さない最高の女性。そして人の心に寄り添う優しい心の持ち主。君は最高の未来の王妃だよ」
フィルのプロポーズを受け入れ、クリスティーナは晴れて皇太子妃となったのだった。
結婚から6年経った今も変わらず、優しく頼もしく自分を守ってくれるフィル。
そしてフィルとの大切な子ども達。
アレックス=ルーク
フローリア=ローズ
マックス=ディーン
クリスティーナは愛する家族と共に幸せな日々を送りながら、国民の暮らしが豊かになるようにと、日々フィルをサポートしていた。
かつて諸外国を渡り歩いていたアンドレアは、国王から直々に、その知識と経験を活かし、より良い政策を打ち出す手助けをするようにと仰せつかり、王宮に滞在することになった。
ある日アンドレアは、クリスティーナに会いに王宮にやって来たリリアンと出逢う。
いや、リリアンが来たと知ると、いそいそと顔を出したのが本当のところだろう。
リリアンに一目惚れしたアンドレアは、押して押して押しまくり、ついにリリアンを口説き落としたのだった。
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