感動の再会?!

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感動の再会?!

ん…、と顔をしかめて、フィルはゆっくりと目を開ける。 (ここは、どこだ?) 身体が鉛のように重く、手を動かそうとしても痺れて上手く動かない。 (なんだ?どうしたんだ。一体、何が…) そこまで考えてハッとした。 (クリスティーナ!) ガバッと身を起こし、途端にめまいがして再び倒れ込む。 「おやおや、元気にお目覚めですな」 低く不気味な声がして、フィルは忌々しげに相手を睨みつけた。 「おのれ…、クリスティーナに何を?!」 「何もしていませんとも。今はまだ、ね」 ニヤリと笑いながら、執事はフィルがいるベッドへと近づいてきた。 「寝耳に水、とは思いますが、あなたにはお話しておきましょう。先ほど、コルティア国に使者を遣わせました。王太子夫妻を人質にしている、従わなければ彼らの命はない、としたためた声明文を持たせてね」 「なっ…!」 目を見開くフィルに、執事は愉快げに笑う。 「実に気分がいい。いよいよこの時がやって来たのだ。世界を我が手中に収める日がな」 「…貴様、何者だ?」 「一国の王にそんな口のきき方は無礼ですぞ、王太子殿下」 「王だと?」 執事の戯言か、と思ったが、フィルは嫌な予感がした。 (確かに執事にしてはオーラが違う。生まれ持った資質、育てられた環境によって備わった威厳…) そこまで考えてハッとした。 (まさか、国王の兄か?!) フィルの様子に、執事は勘づいたらしい。 「さすがは王太子殿、頭の回転が速い。もうお気づきですね。いかにも、私がこのスナイデル王国の王位継承者。弟よりも継承順位が高い、グラハム2世だ」 フィルは言葉を失い、しばし呆然と目の前のグラハム2世を見つめていた。
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