感動の再会?!

2/6

26人が本棚に入れています
本棚に追加
/60ページ
「それだけお元気なら、これくらいはさせて頂こう」 そう言ってグラハム2世は、フィルの手足をロープできつく縛る。 そのままベッドの上に転がされた。 「あとで食事を運ばせますよ。どうぞごゆっくり」 嫌味たっぷりに優雅にお辞儀をしてみせると、グラハム2世は部屋を出ていった。 残されたフィルは、ギリッと奥歯を噛みしめる。 部屋には見張りが二人。 ドアの外にも二人いるようだ。 あの時、毒薬で倒れた時とは別の部屋のようで、ここがどこだか分からない。 だが冷たい石畳と窓がない部屋を見れば、地下の牢屋だと容易に想像がつく。 鉄格子はなく、分厚い石の扉と簡易的なベッドがあるだけの無機質な部屋。 身体がまだ重く寒さに凍えそうになる中、フィルはとにかくクリスティーナの身を案じていた。 (無事でいてくれ、クリスティーナ。必ず助けに行く) その一心で、フィルはどうやってここから抜け出そうかと、考えを巡らせ始めた。
/60ページ

最初のコメントを投稿しよう!

26人が本棚に入れています
本棚に追加