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「はぁ...はぁ...」
「なんだ、もう終わりか?」
息を上げている俺とは対照的に、宝条は涼しい顔をしている。
彼を堕とすにはどうしたらいいのだろうか?
好きとか、嫌いとかそういう話は俺たちには必要ない。
愛し合って、身体を重ねたわけでもない。
だが、宝条が俺に堕ちる姿は見てみたい。
俺の中に、新たな感情が芽生えた。
だが、うつ伏せになったまま、俺は動けない。
宝条が俺を容赦なく抱いたせいだ。
「そんなわけないだろ。」
「まともに立てないくせに?」
宝条の言う通り、身体に力が入らない。
俺が枕に顔を埋めていると、宝条が覆いかぶさってきた。
そして、俺の耳を執拗に舐め始めた。
「あぁっ...///」
「身体は動かなくても、声は出るんだな。」
宝条の笑い声が、耳元で聞こえる。
それだけで身体が疼いてしまう。
すると、彼は俺の背中に舌を這わせた。
「俺はまだ満足してない。」
「え...?」
「だから付き合え。」
そして、宝条は後ろから俺の中に挿入した。
腰を何度も打ち付けられ、俺は喘ぐことしかできない。
今、宝条はどんな顔をしているのだろうか?
俺を嘲笑っているのか?それとも、俺に感じているのか?
相手の心が見えないセックスが、こんなにも虚しいと初めて知った。
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