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人の気も知らないで、宝条は俺の中にズカズカと入ってくる。
俺のことなんか、何とも思ってない癖に。
宝条は昔から、何を考えているのか分からない奴だった。
なのに、俺より優秀で、いつも父親から宝条の息子には負けるなと言われてきた。
そうやって、ライバル意識を植付けられた俺は、彼を敵対するようになった。
しかし、その洗脳も宝条の魅力の前では、長くは続かなかった。
気がつけば、俺は宝条を目で追い、彼に特別な感情を抱いていた。
この気持ちを宝条に伝えることは、一生ないだろうと思っていた。
それなのに、宝条は容赦なく俺を誘惑してくる。
宝条に言いたいことは山ほどあるのに、俺はその感情を全て飲み込みこう言った。
「寝言は寝て言え。」
「上司への口の聞き方も知らないのか?」
「だったら?」
「教えるまでだ。」
すると、宝条は俺を抱き抱え、デスクに座らせた。
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