喰うか喰われるか

4/4
前へ
/24ページ
次へ
なんとか、今日は拒めた。 俺は胸を撫で下ろした。 気を抜いたら、宝条に身体を許してしまいそうになる。 そんなことは絶対に駄目だ。 「では、僕は仕事に戻ります。」 「あ、言い忘れてたけど、今日、藤堂の歓迎会するから。」 「僕のことはお構いなく。」 「そう言うと思ったから、店を予約しておいた。社員も参加するから主役のお前が来ないと意味が無い。」 「あなたってひとは。」 抜け目のない宝条に、俺は思わず溜め息をもらした。 「店の場所は、パソコンにメールを送っておく。」 「承知しました。」 俺は頭を下げると、社長室をあとにした。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

32人が本棚に入れています
本棚に追加