BLについて個人的な思想

版権キャラをエロがる気持ちについて考える

　みなさん、スラムダンクを読んだことはあるでしょうか？
　私、本日スラムダンクを全巻読破したのですが、正直舐めてました。本当にすごいものを見ました。私はこの漫画が大好きになりました。

　さて、今回は感想大会ではありませんよ。
　スラムダンクを全く知らなくても大丈夫です。

　まずはじめに、名前を覚えてほしいキャラが1人います。それは、私の推しの三井(みつい)というキャラです。

　三井(みつい)

　はい。覚えましたね。

　そして、私がスラムダンクを読む際に徹底したことがあります。
　それは、インターネットの情報を一切遮断することです。
　つまり、エッチピクチャー（エロい二次創作）どころか一切のネタバレもなく、事前に知っていた『なんか変な終わり方するらしい』という情報のみで最後まで読み切ることです。

　私にとって、彼らは古本の匂いが染みついた原作漫画の中にしか存在しないのです。

　スラムダンク全31巻、三井が登場するのは5巻とかその辺。

「あきらめたら そこで試合終了だよ」

　という、安西(あんざい)先生の名セリフを知っている人は多いのではないでしょうか。
　その言葉をかけられたのが、まさに三井です。
　ピンとこなければ忘れてくれてかまいません。

　私は最初、三井のことを特になんとも思ってませんでした（でっかいフリ）名シーンも、出た！くらいにしか思ってなかったのです。

　しかし、ある試合で大活躍をする三井を見て、私は彼のことが大好きになりました。詳細は省きますが、つまるところ、推しキャラとなったのです。

　ここでお腐りの皆さんに聞きます。
　漫画を読んでて、推しキャラができたらまず何をするでしょうか。
　間違いなく、エッチピクチャーを見て即抜きするでしょう。
　しかし！なんと私は！！ﾁﾝﾎﾟｳが勃起しきってるのにも関わらず！我慢したのです！！

　それはさながら、自制心のある攻めのようでした。
　無防備な受け（ググればエロ漫画が読める）を目の前に、嫌な汗が背中につたうのを感じながらその場を離れたのです。

　そして、私は友達にこのことを話しました。
　要約すると、バッチエロいキャラおるんだが？！ということを叫びまくったのです。みんな、笑ってました。そして、「見たらええやんけ」と言われてしまいました。

　そうなんです。そもそも、なぜ我慢する必要があるんだ？という点についてお話させてください。

　例え話。
　好きな子。とまではいかなくても、ちょっと気になるあの子で昨晩抜いてしまった僕。次の日クラスで普通に話しているあの子を見ると、妄想の中のあの子とのギャップに罪悪感と気まずさを覚える。

　つまり、三井のエッチピクチャーでエロガキになったら最後、原作漫画で三井が登場してもそのエッチピクチャーが脳裏をよぎるし、「昨晩は大変ハレンチでしたね」という、存在しない事実と地続きに原作漫画を読むことになってしまうのです。

　私はこうなることは全力で避けたいと思いました。
　家という最もプライベートな空間で、そこにあるのは31冊の漫画と私の体だけであってほしかったのです。

　読破するまで禁欲することにより、推しキャラの具体的な痴態(ちたい)のイメージが浮かんでこなくて私は本当に本当に助かったな。禁欲してよかったなと思えたのでした。

　ふう。友達とも話せて楽しかったし、続きを読むか。
　と、私はまた漫画の世界に戻りました。
　するとどうでしょう。
　三井のことエロがってる話を人にしたとたん、三井が登場するとなんか意識しちゃって、ちょっと気まずかったんです。
　友達とはじめて恋バナした次の日に、好きな子を廊下で見かけてしまった『僕』の気持ちになっちゃいました。
　あら私って、あなたの知らない所であなたの無い話をして信じられないくらいはしゃいでいましたわ。恥ずかしいわ。となったのでした。

　私は今、スラムダンクロスです。寂しいです。

　三井をはじめ、たくさんのキャラクター達とたくさんの感情を共有してきました。彼らと一緒に泣いて笑ったんです。私、彼らのこと友達だと思ってたんです。
　けれど彼らは「んじゃ、俺はここで右に曲がるから、バイバイだな」つって、私に別れを告げました。

　しばらく会わない友達が今どうしてるのか、元気にしてるのか、泣いてるんじゃないか。気になるものです。電話をしようか、ラインをしようか。考えるかもしれません。
　けれど、私には彼らが右に曲がった先を知るすべはありません。
　もう二度と会えなくて、彼らとの思い出をめくり返すことしかできなくなってしまいました。

　本当に寂しい。また会いたい。