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ラッツオの計画は成功し、リロイは彼の代わりにピノを虐めだした。そこまでは良かった。だが先日、リロイのヘイトは遂に、ピノの製作者であるラッツオに向いてしまった。これがラッツオにとって誤算だった。身代わりをたてても虐めが自分の方に返ってくる。ラッツオは自分に逃げ場がないことを悟った。そして、ラッツオは次の計画を思いつき、実行した。リロイを殺し、罪をピノに擦りつける計画だ。
ピノは人間じゃないから、証拠を隠滅する為に処分しても法律には触れず、自分が咎められることはない。
なあ。ラッツオはわざと、ピノが犯行を否定し、彼の鼻が伸びる姿を俺達に見せたとは考えられないか? ――証言者をつくる為に」
ドリーが言い終えたあとに、生徒は「まさか」と食い気味で反論した。
「僕達がここを通ったのは、偶然僕が君にこの場所を案内していたからだし、この昼休みの間に証言者になり得る人間が通るとは限らないじゃないか。それに、ラッツオが殺したという証拠はないわけだし、憶測でものを言うには早すぎるよ」
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