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「ラッツオは悪くないよ」とピノはリロイを止めにかかったが、すぐに払いのけられた。
「こいつが生みだしたクズなんだから、こいつにも責任はあるだろ。なぁ?」
リロイはラッツオの髪の毛を掴んだ。ラッツオは小さく喘ぎを漏らしたが、それ以上に彼に抗おうとはしなかった。リロイに払いのけられた勢いで、地面に尻をついていたピノは立ち上がり、リロイに縋るように叫んだ。
「やめて! ごめん、もう嘘つかないから!」
――ピノの鼻が伸びた。
「クソがぁ!」
リロイはピノの腹を力任せに蹴った。ピノは後ろに吹き飛んで、ぶつかった机や椅子が倒れる。大きな音がこだました。廊下側の窓から、通りがかる生徒たちが横目に教室内を一瞥していた。
「こいつは病気だ。なぁ、ラッツオ。俺がこの噓つき野郎を殺しちまっても文句は言わねえだろ? ここまで人様に迷惑かけた上に、全く反省の色が見えないんだからなぁ」
リロイはラッツオの座る椅子を蹴りながら、言葉を続ける。
「それに、こいつは木偶の坊だから殺しても法には触れねえよな? なんせ人間じゃないんだからよ」
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