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私の身体を抱き上げた烏がプライベートルームへと入った。
すぐにバスッ!と音が聞こえ、私の口角が僅かに上がる。
「俺は母親の気持ちが分からねぇ」
覆い被さってきた烏は、私に首筋に顔を埋めたから、その背中に両手を回す。
「辛かったと思う。
我が子と離れる事は自分の身体の一部をそぎ落とされた感覚になる。
だから、最後はどうだったかを知りたい」
私の首筋に顔を埋めたまま動かない烏。
だけど、私の首筋が濡れた事で、烏の気持ちが痛い程伝わってきた。
誰よりも家族と仲間を大切にする烏の中にあるのは後悔の2文字。
だからこそ誓う。
煌牙が大和の子供を連れて来たら、我が子同様に大切にしようと……
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