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自分の言葉で話すと余計に後悔してしまう。 それでも、莉子の母親から健太に会わないで欲しいと言われた事は、話すつもりはない。 「長い間、隠していて申し訳ありませんでした」 謝ったのは、この世に居ない莉子に対してなのかも知れない。 「大和、どんな理由があってもてめぇを許さねぇ! 出て行け! 今すぐ出て行け!」 立ち上がり、俺の傍に来た煌弥。 そう言った時、何かを俺の上着のポケットに入れたのが分かった。 多分、涼や拓海は気づいていないだろう。 『失礼します』と言ってからリビングを出た俺に『大和さん』と声をかけてきたのは、俺が乗る白のベンツを運転するメンツ。
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