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「あの頃の俺は、ひたすら夢を叶える為に生きていた。
もちろん、莉子を手放すつもりもなかったんだ。
だけど、貴島組の構成員になった以上、莉子を幸せに出来るのは、俺じゃないと思ったから別れた」
「それだけじゃないよな?」
「他に理由はない」
「俺に会いに来ないのも祖母ちゃんから何か言われたからだろ?
母さんの時も同じだったんじゃないのか?」
窓の外を見ていた父さんが俺を見た。
その瞳は揺れている。
おまけに頬は、殴られたのか腫れているのが分かった。
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