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カツカツと音が聞こえても不思議じゃないが足音を絨毯が消す。
やたらと静かなのは、誰も言葉を発しないからだろう。
「悪かった」
俺の目の前で足を止めた煌牙の父親が、そう言って頭を下げた。
それに対して驚いた顔をした煌牙。
「全て俺の責任だ」
頭を上げずそう言ったから俺は俺の気持ちを言葉にする。
「俺は、誰も悪いとは思っていません。
だから頭を上げて下さい。
そんな事をして欲しいから此処に来た訳じゃない」
頭を上げた煌牙の父親は、僅かに目を細めて言った。
「てめぇを歓迎してやる」
そう言った後、煌牙の父親は踵を返す。
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