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烏が黒のレクサスを停めたのは、お寺の駐車場。
涼に烏が指示し、今朝、白い薔薇の花束を用意してもらった。
後部座席に置いてある白い薔薇の花束を私が手にすると、運転席から降りた烏。
それを、確認してから助手席のドアを開けた私。
黒のレクサスから降りると、咥え煙草をしている烏が見えた。
先に行く訳でもなく、烏が私の名を呼ぶまで待つ。
過去の私は、生きる為だけに生きていた。
時がくれば、自ら命を絶つ気持ちでいた。
だけど、それは間違いで、この世には生きたいのに、生きられない人も居る事を知った。
生きていて欲しかった。
生きていたら友達になれたのかも。
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