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「なぁ、貴島、煌蓮に入れてくれよ」 高校生になってから、頻繁に言われる言葉。 本日も声をかけられた。 「煌蓮側が必要だと思うなら、スカウトされるはずだ」 「そのスカウトがないから頼んでんだ。 黒の烏の息子のお前から親父に頼んでくれよ」 名も学年も知らねぇし、興味がねぇ奴。 活字でしか強気で生きていけねぇ奴だと言う事は聞いた事ある。 無駄な話しをする気もねぇ俺は『無理だ』とだけ告げ、その場を後にした。 保護者の名の欄に、大和ではなく烏の名が記入される様になったのは、中学になった時。 誰かが、それを見つけ、黒の烏の息子だと知られる様になった。
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