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小学からエスカレーター式の椿学園。 黒の烏の息子だからと分かってから、仲良くしようと女も男も近づいてくる。 それが煩わしくて仕方ねぇ俺は、毎回の様に教室から出て駐輪場まで移動し、バイクに跨がる。 学園の外に出て、ひたすらバイクを走らせるのは、現実逃避かも知れねぇ。 黒の烏の息子だと言われる度に嫌気がさす。 だからと言って、親父が嫌いではないし、寧ろ尊敬しているし、憧れる気持ちは揺るいでねぇ。 俺は烏の子ではなく、貴島煌牙として接してもらいてぇんだ。 俺の配下に居る奴等は、俺自身を見てくれるのは、分かっているが、何がか足りねぇんだ。 俺が心から求めている奴が居ねぇんだ。
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