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エンジンがかからねぇ。
しまった。
ガス欠だ。
再び、『はぁー』と溜息をついてバイクを押す。
何やってんだかな。
なんて思う俺は、後ろから車が走ってくる音が聞こえ、端に寄った。
「どうした?ガス欠か?」
その言葉が聞こえ、右を向くと黒のアルファードの窓を開けて俺を見るブラウンの髪の男が居た。
烏の巣まで戻るのには、かなり距離があると思う俺は、気がつけば『あぁ』と答えていた。
「ちょっと待ってろ」
ブラウンの髪の男は、そう言うと黒のアルファードを走らせ去って行く。
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