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「助けてもらって悪いが、今、金を持ってねぇんだ」
「そんな小さな事気にすんな」
笑うと八重歯が見える健太は、俺のバイクにガソリンを補充すると『なぁ』と呟いた。
それに『ん?』と返した俺。
「煌牙には夢があるのか?」
「夢か……」
「俺にはないんだ。やりたいこともないんだよな」
「俺もかも」
煌蓮は、初めからあった組織団体。
貴島組も、初めからあった組。
どちらかを継ぐのは、当たり前だと思う中で、夢なんかなかった事に気づいた。
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