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俺との待ち合わせ場所が健太の自宅になった。 1人暮らしを始めたと言う健太の部屋には、布団とテーブルとノートパソコンしかなかった。 それでも秘密基地が出来たみてぇでワクワクしたのは確かな事だ。 健太と出会って半年してから、隠し事をしたくなくて真実を健太に話す。 「俺の親父は、貴島組若頭であり、煌蓮のトップである貴島煌弥。 残酷、冷酷、冷血、非道の黒の烏なんだ」 「だからなんだ?煌牙は煌牙だろ?」 そう言ってくれた健太の言葉が素直に嬉しかった。 「んで、煌牙は、父親の跡を継ぐのか?」 「貴島組は継がねぇが、煌蓮は継ぐつもりだ」 「馬鹿だな。どっちも継げよ。父親を越える為に」 どちらも継ぐ選択肢は俺の中ではなかっただけに、ハッとした。
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