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ディヴィアンは全身を震わせた。歓喜の嵐が襲ってきて、どうにも我慢ができなくなり、相手の短い髪を掴む。自分に引きよせるように引っ張り、自ら舌を絡めにいった。
性に対する知識や技巧があるわけではなかった。ただそうしたくてたまらなくて、身体が望むまま勝手気ままに振る舞った。それはラケオも同じで、手順も気遣う余裕もなく、どうにかしてくれと泣きたいほどの切なさを吐息に変えてお互いうごめいた。
ラケオの一番熱い部分が、ディヴィアンの充血した場所にすりあわされる。ごつごつとぶつかるゴムのような弾力に息があがった。
「あ、あ、あッ、ラケオ」
幹の下から何かがせりあがってくる。それは甘美で、やるせなくて気持ちよくて、死にそうに心地よかった。
「あ、どしよ」
「気持ちいい?」
「う、あ、あ、いいっ」
「達って」
「え、は、ぁ……ッ」
きつい快感が、身体中の神経を逆撫でする。肌がピリピリ痛んだ。やがて我慢ができなくなって、渦に呑まれるように快楽の頂に放り出される。目をとじると瞼の裏に星が見えた。チカチカ瞬く光と共に、ディヴィアンは際を越えた。
「あ、あ、ァ……ああっ、あ、はぁ、……ッ」
短い喘ぎを間断なくもらしながら、ラケオにすがりついて下腹を濡らす。
「僕のアン」
みっともなく顔をゆがめるディヴィアンに、ラケオが何度もキスをする。そうしながら筋肉の張った逞しい腰を強く揺らした。
「アン、ああ、アン」
何かに必死に祈るような声をあげて、最後に性器をわななかせる。射精の瞬間、熱い雫がディヴィアンの腹に注がれた。
「……」
全身が余韻に痺れている。
それはとても心満たされる感覚で、ディヴィアンは思わず相手の首にすがりついて、一緒に満足のため息をついた。
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