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うっそうと木が生い茂る山の中
二人の男が木々を飛び移り刀で打ち合っている
一人は黒髪に翡翠色の目をし、全身黒一色の少しダボッとした服を着ている、名を獪岳
それと打ち合っているもう一人の男、名を善逸
黄色の髪に黄色の瞳を持ち服装も黄色の羽織の中に黒い服とほとんど黄色で統一されている
2人は激しく打ち合い、刀がぶつかるたびに雷のような閃光が迸る
いや、実際に雷が迸っているのだ
二人は雷の呼吸を扱う鬼殺隊の隊士だ
鬼を討つために修行を重ね上を目指し、柱と呼ばれる特別な階級へと至らんとするもの
柱を目指さずとも自らの目的のため、守りたいもののために鬼と戦う力を身につけるために入隊したもの
または、多少情けなく女に騙され借金まみれになり返済するために入隊したものと
それぞれ経歴は違えど、鬼を討つという目的はかわらない
二人は雷の速度と言っても過言ではないスピードで移動し打ち合っていた
獪岳【はっ、やるようになったじゃねぇか】
善逸【俺だっていつまでも兄貴の足にしがみついてるだけじゃないからね】
会話をする余裕を見せつつも善逸の方は少し息をあげており、獪岳の速度と刀についていくのがやっとといったところまで消耗しているようだ
獪岳【なら・・・雷の呼吸 肆ノ型 遠雷(しのかた えんらい)】
バチバチ!と刀に雷を纏わせれば離れた間合いから、一瞬で善逸の目の前に飛び込み5連続の斬りつけを叩き込む
善逸【ぎょぇぇぇぇえぇぇ!?】
その動きに目が飛び出すのではないかというほどの驚きを見せ絶叫マシーンよろしく叫べば先ほどまでかっこよく打ち合っていた姿はどこへやら
何度も転けかけそうになりながら斬撃を避ける
善逸【へへ、躱せた・・・へぶばっ!?】
最後の一刀を躱して安心したのか足元が疎かになり木の根に足を引っ掛けて顔面から地面へとダイブする
獪岳【まったく・・・敵に背をむけんな、死ぬなら正面向いて死ね】
善逸【え?これ修行だよね!?殺す気だったの!?正面向いてたら死んでたの俺!?】
獪岳の言葉にギャーギャーと騒ぎ抗議をする善逸、その雄たけびの様な声を聞き獪岳は深いため息をつく
獪岳【まったく、お前のそういうところは昔とかわらねぇな】
善逸【人間簡単にかわれたら苦労しませんよ!!】
獪岳は善逸のその魂の叫びにもう一度深くため息をつきながら始めて善逸と出会った時の事を思い出していた
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