第5話 好感度

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第5話 好感度

 サラの言っていた“いずれ“はすぐにやってきた。 「ロラン、怪我はひどいのか?」 「今までにないくらい魔物の大群でしたからね……」 「いや、大丈夫だ。これくらいの傷、癒すほどのこともない」  わき腹を押さえたロランは、それだけ言うとさっさと部屋に引っ込んでしまった。 「あたしたちも勇者の剣に頼り過ぎるのもまずいわね」 「そうだな。いくらロラン専用の聖剣が手に入ったからって、今日は見物に回り過ぎたな」  武闘家のマーサと竜騎士フランツが頷き合う。  その横で、黒魔導士ヴィルジールがやれやれと首を振った。 「それ以上に問題はアメリだよ」 「え? わたし?」  アメリはきちんとロランに聖剣を手渡した。  あの恥ずかしい儀式をおとなしく受け入れて、嫌な痛みも我慢して。 「勇者の剣の威力は、聖剣の乙女の好感度で変わってくるんだ」 「好感度?」 「アメリがどれだけロランを好きで信頼しているかってこと」  ヴィルジールの言葉にみなが首を傾ける。 「どうしてそんなにロランが嫌なのかなぁ? 勇者だからほっといても好きになると思ったのに」 「そんなこと言われたって……」
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