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「まぁ、言ってても仕方ないか。とにかく今はロランの怪我をどうにかしないと」
「さっきロランが大丈夫って言ってたでしょう? それにアメリさんに無理言わないで」
「サラは知らないだろうけど、ロランって結構な数の魔物傷作ってるよ? 見えない場所ばかりだから、気づかないのも無理ないけどさ」
非難めいた神官サラに、ヴィルジールは小さく肩をすくめた。
「あたしもちょっと気にはなってたけど、ロランってばそんなにひどかったの?」
「きっと男のやせ我慢だな」
「やせ我慢? きゃははっ、ロラン、ウケる!」
「マーサさん、こんなときに茶化さないで」
「もう、サラってば、冗談に決まってんじゃん」
そっぽを向いたマーサをサラが厳しく睨みつける。
そそくさとふたりから距離を取ったフランツと対照的に、ヴィルジールは読めない笑顔で割って入った。
「まぁまぁふたりとも。とにかく小さな傷でも、ちりも積もれば山となるじゃない? せっかくロランの乙女が見つかったんだし、ここらで一度ちゃんと治癒しといた方がいいって」
今度は反対意見も出ず、アメリはヴィルジールに連れられてロランの部屋へと向かった。
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