第41話 対決

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 ぱっと甘えた声になって、ベリンダは男にしなだれかかる。 「わたしもいい(ひと)を見つけたの。この村には二度と戻らないわ。どこかで見かけてももうアメリとは赤の他人よ」  つんと顔を逸らしたあと、ベリンダはこそっとアメリに耳打ちしてきた。 「義父さんと違って超大金持ちなの。精神的にも余裕があるし? デボラ母さんも一緒にこれから面白おかしくやっていくわ」  それだけ言い残すと、ベリンダは男とともにあっさり行ってしまった。  すでに次の金ずるを見つけていたとは、なんともベリンダらしい。  いつでも嵐のように激しい義姉だったと、そんなこと思いながらアメリはその背を見送った。  再びひとりになったアメリは冷静に考えを巡らせる。  結局ロランがアメリを探す目的は分からず仕舞いだ。  今さら自分が会いに行ったところで、みんなに罵られるだけかもしれない。 「でも行くしかないわよね……」  ロランがアメリを探している以上、ロランはアメリを欲しているのだ。それがどんな理由であれ、アメリはそれをおとなしく受け入れる覚悟を決めた。  このままロランとの関係を終わらせてしまってはならない。それこそ父親のときのように。  その思いがアメリを強く突き動かした。
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