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「だって! こんなことしてもロランの怪我、ちっとも治ってないじゃないっ」
揺さぶられながら、アメリの心は張り裂けそうになった。
これほどアメリが喘いでいるのに、全くと言っていいほどロランの傷を癒せていなかった。
「わたし、も、ロランの乙女じゃ、なくなっちゃった。だからこんなことしても意味な」
「そんなことはどうでいいと言っている!」
「ああっ」
言葉も発せられないほどに激しく膣をかき回される。
こんなにも平静を欠いたロランを見るのは初めてだ。
「んっ、あっ、ふっ……ロラン、は……おこ、怒ってるの……?」
「何がだ」
「わたしの聖剣が、折れちゃ……ったから」
息も絶え絶えに訴えると、ようやくロランの動きが穏やかになった。
ゆるゆると抜き差しを続けながら、ロランの瞳がアメリを映す。
「俺の何がいけなかったんだ?」
「え……?」
逆に聞き返されて、アメリは不思議そうにロランを見た。
そのロランの顔は、どこか後悔をにじませている。
「聖剣が折れたということは、アメリが俺に不信感を抱いたということだ。何か原因があったはずだ。違うか?」
「あ……」
勇者の聖剣の威力は乙女の好感度で決まってくる。
いつかヴィルジールに言われたことを思い出すのと同時に、ベリンダとロランの一夜が頭をよぎった。
「隠さず正直に言ってくれ」
「それはロランがベリンダと……」
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