140人が本棚に入れています
本棚に追加
「で、でもベリンダ、ロランのシャツ持ってたし、それに見えない場所のホクロの位置とか自慢してたし……」
そうだ。あの日ベリンダは、服を脱がないと分からないようなロランのホクロの位置を言い当てていた。
そのときの獲物を仕留めたようなベリンダの目が、どうしてもアメリは忘れられない。
「部屋まで送っていったときに言われたんだ。俺が大事な妹を守るに足る男か確かめたいと。そのときに少し体を触られた覚えはある」
「それでベリンダに言われるまま服を脱いだんですか?」
胡乱げな視線を送ると、ロランはすまなそうに眉を下げた。
「彼女は相当酔っていたからな。その方が早く済むと思ったんだ」
ロランが嘘を言っているようには見えなくて、アメリは愕然としてしまった。
始めからベリンダの術中に嵌っていたのだ。
聖剣が折れたのも、ロランが大怪我を負ったのも、すべて自分の勘違いのせいだった。
こんなアメリが聖剣の乙女失格なのも当然のことだろう。
「誤解をさせてしまったのは俺の落ち度だが……俺への嫌疑は無事に晴れたようだな」
ニッと笑うと、繋がったままだったロランがいきなり動きを再開させた。
最初のコメントを投稿しよう!