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「フランツ? なんかいい作戦でもあんの?」
「俺が竜騎士だってこと、忘れたのか? まぁ、ここは俺に任せとけ」
自信ありげなフランツに頷き返して、マーサはサラ背後に移動した。
ロランの援護はフランツとサラに託すしかない。逆に肉弾戦に特化したマーサは、無防備なサラを護るにはうってつけだ。
「サラのことはあたしが絶対に護ってみせる。傷ひとつ付けさせないから、サラはロランの援護に専念して!」
「わかりました!」
魔物に蹴りを入れつつ、マーサはサラの全方位に注意を払う。
マーサの頬に裂傷が走り、飛んだ血しぶきにサラの意識がロランを逸れた。
「あたしのことはいい! サラはロランに集中して!」
「ですが!」
「あたし、世界中に食べたいものまだまだたくさんあんのよね。だからこんなトコで死ぬつもりなんてないし? ま、いざってときはさっきの伝説の蘇生魔法、チョチョイノチョイって掛けてくれればオッケーだから」
軽口を叩きつつ、マーサは激しい拳と蹴りのコンボを決めていく。
捨て身のマーサの覚悟を感じ取り、サラは上空の魔物に狙いを定めた。
今ロランは崖の半ばまで行っている。その周辺を死霊とガーゴイルと邪竜が入り乱れて飛んでいた。
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