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アラームの音が鳴り、目が覚める。
今日は快眠だった。
いつもは食べない朝食を食べ、早めに学校に向かう。
彼女の横顔からはもう、昨日の迷いなど微塵も感じられなかった。
学校に着き、まずは彼がいるかを確認した。
私の予想通り、彼は自分の席で今日も音楽を聞いていた。
彼の席の前に行き、私はすぐに彼を屋上に呼び出した。
「ちょっと言いたいことがあるから、付いてきてくれない?」
「…分かった」
今日は珍しく音楽を聞くのを中断し、少し不機嫌そうにしながらも、彼は私に付いてきてくれた。
いざ屋上に行き、彼と目が合うと、昨日言ったことに段々と申し訳無さが溢れてきた。
だけど、私は教わった。大切なのは伝える勇気なのだと。
私は勇気を振り絞って、彼に自分の気持ちを伝えた。
「昨日はごめん!言いすぎた!君と別れるなんて考えられない!仲直りさせてほしい!」
………返事がない。
もしかしてダメだったのかと思い、顔を見ると……
最初は驚いた顔をしていたが、徐々に笑顔になり、微笑みを見してくれた。
その顔からは私と同じ、安堵と嬉しさが感じられた。
「えっと…仲直りしてくれる?」
「ふふ、喜んで」
私がもう一度確認すると、彼は笑いながらも答えてくれた。
「やった〜!!」
私は飛び跳ねながら喜んだ。とても嬉しくて涙が出そうだった。
悩みのタネが消え、私が有頂天になっていると、彼が私に話しかけてきた。
「実はね…僕も君に言いたかったことがあるんだ」
「なに?教えて?」
「実は……最近音楽を聞いていたのは、君のためだったんだよ」
「え?どういうこと?」
私は喜びの気持ちをこらえ、真剣に彼の話を聞くことにした。
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