言の花の歌

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 心が疲れたとき、ふとなにもかも嫌になったとき。  心の傷がじくじく傷んでどうしようもないとき、誰かの言葉に泣きたくなったとき。  ふと、迷い込む心の場所。  そこには大きな木のおじいさんと、笑顔の可愛い女の子がいて、一面の花畑があって。  誰かの優しい声がして。  言葉の宝箱のような、淡く煌めくその場所で。  笑顔の可愛い女の子は、あなたの手を取って、目をくしゃっと細めて、きっと言うのです。  生まれてきてくれてありがとう、と。  そしておじいさんとふたり、あなたの隣に腰掛けて、丁寧に丁寧に、歌を響かせるのです。  言葉を紡いでいくのです。
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