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十六話
明日は新入生歓迎会が行われる。
その内容は鬼ごっこだが、少し特殊なルールが適応されることになった。
鬼と逃走者はどちらもブレスレットを身に付け、接近するとお互いの識別番号が記録される。
そして、普通の鬼ごっこと違うのは捕まっても逃走者はそのまま逃げ続けるということだ。
制限時間が終わった後、逃走者側のブレスレットに識別番号が記録されている鬼には、上から順番にデートをする権利を与えられる。
一番最初に記録されている鬼が拒否した場合は、二番目の鬼が、その人が拒否したら三番・・・と、
誰かとペアが成立しない限り、他の鬼に権利が移っていくらしい。
逃走者がデートを回避するには、逃げ切るか鬼全員に拒否されるかの二択しかない。
そういうゲームだ。
更に鬼には特典があって、多く捕まえた上位の生徒には褒美が与えられる。
しかも、鬼は複数人を選ぶことも可能だそうだ。
例えば俺と悠雅を奏斗が一番に捕まえた場合、どちらもデートに誘うことが出来る。
全校生徒の意見を取り入れたら、どう転んでも逃走者が損をする最低のゲームへと変貌していた。
何より気に入らないのが――生徒会役員は強制的に逃走者になるというクソ仕様だ。
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