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たしりとこだまは夜なのにサングラスをかけ、あやしい隣人マックスだ。
さぁ!武藤家初めての選択の時だ!
① 秘密を知られた相手は所詮子供。見間違い
だったと口で丸め込む。
② 生まれつき目が緑に見える、♪月のヒカリ
に導かれ病♪だと、歌いながら押し切る。
ポーズ付き。
③ 軽く記憶喪失にさせてやる。
「問答無用で③よね?私に任せて!」
やる気満々のこだまをたしりが羽交い締めにし、いおりが足にしがみつく。
「母さん、アカンて!暴力はアカン!」
「まどろっこしいのは嫌いやねん。どいて、二人とも邪魔や」
「ハッハー……陽奈ちゃんがびっくりしてるやろ?ここは穏便に、②の少女に絶大な人気のキメポーズでやな──」
今は、月そのものをお仕置きしたいたしりだったが、人間になったぶっとい指を折り曲げて、お仕置きポーズをキメてみる。
「おじさん、古い……陽奈はもう帰るね。いおり君、約束破ったら絶交とシリコンダマーだからね?」
白いフェンスを再び跨ぎ、陽奈の後ろ姿が玄関に吸い込まれて行った。
「ごめんなさい……オレ……」
いおりはようやく閉じていた目を開ける。涙がぷっくりと膨らんできた。
「かまへん、かまへん。まだ河童やとバレた訳じゃないし。もしバレたら、クッサイ屁をかましてあっかんべーで村に帰ったらええ」
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