許さない(彼女side)

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 号泣する私に、友達は諦めるよう説得してくる。 「天羽(あまは)のどこがいいのか全然わからない。陰気なアニメオタクじゃん」 「美雨(みう)はさ、恋に恋してるだけなんだよ。目を覚ましなよ。陰キャと付き合ったって、会話にならないって!」  だけど、律音くんへの想いは薄れない。陰気なアニメオタクだろうが、なんの問題も、障害もない。    律音くんのことをもっと知りたくて、学校帰りの彼の後をつけた。  律音くんは公園の前で立ち止まると、振り返った。彼の視界に入れたことに、私の胸はキュンとときめく。 「これ以上ついてきたら、ライン完全無視する」 「……ごめんなさい。後つけないから、これからも読んで……」 「…………」  律音くんは無言で立ち去った。  その夜、謝罪のメッセージを送った。いつものように既読がついて、泣くほど嬉しかった。  嫌われていない。そう思ったのだけれど、この話をしたら、友達も友達の彼氏もドン引きした。 「美雨のやっていることって、ストーカーだからね! そのうち、訴えられるよ!!」 「友達として忠告する。望みなし。諦めろ」 「マジ引くわー。美雨ちゃんは良い子だし、カワイイけどさ。絶対に彼女にしたくないタイプ。怖っ!」    律音くんへの恋心は、一方通行なうえに迷走している。まったく理性的じゃない。けれど、この後に及んでも好きな気持ちに終止符を打てない。  一方的にラインを送り続ける毎日。返事がなくても、既読がつくだけで幸せだった。  
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