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「御霊いいこと言う! そういう親って子供を道具としか思ってないんだよ!」
だが御霊の顔が一瞬で引きつった。氷川が私に怒鳴る。
「急になんなの!? 御霊も僕も女子嫌いなんだよ!」
教室はシーン。すると加賀が肩を掴んだ。穂村もだ。鈴音もさすがに困惑していた。
「悪気ねえのはわかるけど、御霊女子苦手なんだよ」「こっちおいで」「レナ急にどうしたの?」
完全にやらかした。フォローする間も無くチャイムが鳴り、私たちは一斉に席についた。
*******
あとで御霊に謝りに行こう……私はバトル学の授業を終え、先生と待ち合わせるために自習室1へ向かう。
「池亀、ちょっと」
ん? 誰だ……振り返ると藤色ロングヘアの美人(男)が。
「倉雲どうしたの?」
倉雲道留だ。御霊にシャンプーを貸した男。背も高く、黒と藤色のネイルが特徴的。
超属性で念力が使え、人や物を簡単に持ち上げられる。これも私が目をつけている素敵異能である。
御霊や氷川といつも一緒で、1年龍組おとなしい男子トリオの一角。それにしても顔がいい。思えば会話するのは今回が初めてかも。
「御霊のことで話がある」
どうしたのかな。倉雲は神妙な顔で囁いた。
「御霊の女子恐怖症を治してほしい」
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