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訓練場の大部屋『1ーR』には、コス姿の龍組16人が勢揃い。くのいちノイズ先生が眩しい。
御霊が私に目配せし、白い仮面を指差した。私も蝶飾りを指差す。先生はみんなを見回した。
「いいコスチュームだな。今回の授業では、2人1組で市街地戦闘をやってもらう」
市街地に出て大丈夫なのかな……先生は壁のスイッチを押した。すると訓練場の大部屋に、なんと市街地が現れた。
歩道橋、小さめのビル、一般住宅、道路に電柱に街路樹。すごいな晴明高校! かと思えば白い人型ロボットが登場。
「なるべく市街地を壊さないように、このロボットを捕まえろ」
そう、異能師は強ければいいってものじゃない。仲間と連携し、被害を最小限にしなきゃいけないのだ。
「そしてこんなものもある」
人型の板が市街地に現れた。
「これは一般市民。異能を当てたら減点になるぞ。ではペアを発表する」
白い壁に映された表には……私と氷川雪緒。そして大袈裟な舌打ちが。
水色セミロングの男子生徒が、私を睨んでいる。雪女みたいな着物コスを、動きやすいように着崩していた。
「おいやめろ」「池亀はいいヤツだ」 御霊と倉雲が注意している。
私個人が嫌われてるんじゃない、向こうが女子嫌いなだけ。それでも憂鬱な気持ちになる。小中と出会った男子の態度が、まさにこんな感じだったから。
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